オークスは思いもよらぬ結果となった。
競馬の神様は本当に面白いシナリオを考える。
この舞台で誰が1着同着を予想しただろう。
とにかく今年のオークスは道悪適性以上にニーマルオトメが作った前半のペースが中段
以降の馬の差しが決まったと分析している。
この日の馬場で前半千mが4ハロン目の10秒台を除いて全て12秒というのは玉砕
先方に近いだろう。
それに釣られて掛かり気味に追走したショウリュウムーンが16着に沈んだのも無理は
ない。
内田にしては流れを読み損なった珍しいチョンボである。
名手を持ってしてもG1でのテン乗りの難しさを露呈した格好となった。
恐らく佐藤哲なら違った結果になっていたと思う。
3着に残ったアグネスは立派としか言いようがないが、これこそ母方のヘクタープロ
テクターの力がモノを言ったのではないかと思う。
アパパネはその走法自体は決して大飛びではないので、この日の馬場は向くだろうと
思ったが、飛びの大きいオウケンは無理だろうと思ったにもかかわらず、最後伸びて
きた脚はこの馬の能力を再認識させられた次第である。
恐らく良馬場だったら結果は違っていただろう。
しかし冷静に考えれば横典、蛯名、柴善の府中を知り尽くした騎手で決まったのだから、
何も驚くような結果ではないのだが、必要以上にファンの伏兵期待を膨らませてしまう
のがG1特有の傾向だ。
雨の中の同着決着もいいが、ダービーこそは良馬場の力勝負を願うばかりだ。
日本の競馬はダービーを基点として1年のスケジュールが決まるのだから、去年のような
泥んこ競馬はもう見たくない。
極悪馬場で劇走した結果としてロジユヴァースのその後を見るまでも無く、まだまだ繊細
な3歳には大きな反動が待っているのだから。
「馬券の鉄人2010」
http://ironbaken.web.fc2.com/