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2014年12月31日 12時05分 発行
有馬記念レース回顧
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┃    プロ馬券師集団『桜花』  2014年12月31日 http://oukaevent.com/
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【レース回顧】
 今年はこの有馬記念に限らず、G1レースのほとんどが難解なレースばかりだったと
思う。今回の有馬記念も、予想以上にスローペースの流れになった。有馬記念という
レースの特性は、単純な力比較だけでは収まらない特殊なレースで、今回もジェンテ
ィルドンナが勝ったことは素直に賞賛されることとわかってはいるものの、一方で
『この結果か・・・』と少し落胆の思いもあった。
 予想通りヴィルシーナが逃げる展開になった今回の有馬記念は、スンナリ先手を取
ってマイペースに持ち込む競馬であった。600m通過が37.4秒、1000m通
過が63.0秒とかなりスローな流れのレースになった。
 大抵のレースでは、体感としてスローかハイペースかは、レースを見る途中でわか
るものだが、今回の有馬記念は正直な所、体内時計が狂わされたの如く、まったくペ
ース判断ができなかった。ハロン毎に時計を見ている外野の私ですらペース判断がで
きないのであれば、中でレースに乗っている人たちは、もっとわからなかったのでは
ないかと思う。それだけ絶妙な逃げを打った内田騎手はさすがの好騎乗だったと思う。
 
ハロンタイム
7.0 - 11.8 - 12.3 - 12.6 - 12.5 - 13.6 - 13.2 - 13.0 - 12.3 - 12.4 - 11.5 - 11.2 - 11.9
 
 勝ったジェンティルドンナは、これが引退レースではあったが、どう見てもデキは
落ちていたと思う。パドックの欄でも記載したが、あれだけレース前から消耗するよ
うでは通常のレースではどう考えても手が出にくい。しかし、有馬記念は過去にはト
ウカイテイオーが1年ぶりの復活したレースやオグリキャップのラストランなどなど、
理論では説明できない勝利というのが幾度となく刻まれてきたのが有馬記念である。
あれだけイレ込んでいたジェンティルドンナがレースではピタッと折り合えたのも特
別な有馬記念だからだろう。ジェンティルドンナも過去のどの名馬の感動的なラスト
ランにも引けを取らない選ばれた名馬なのだと思う。この結果は神の思し召しなのだ
といっても過言ではないかもしれない。勝ったジェンティルドンナを最大限の賞賛を
送りたい。
 レースは内のヴィルシーナが逃げる展開となったが、ジェンティルドンナも好スタ
ートを決めて道中は内々3番手からレースを進めた。あれだけパドックでテンション
が高かったのに、レースではピッタリと折り合って追走。勝負所からはエピファネイ
アをマークしながら後方で脚を溜めた。4コーナーでは意外と勢いがなく、むしろ外
から来たラキシスの方が捲り切るかと思えたのだが、直線へ向いては再度盛り返して
前を走るエピファネイアを追い駆け、最後はゴール手前で捕らえて差し切った。一旦
は沈みかけたが、そこを盛り返したのはやはり名馬だからこそだと思える。父ディー
プインパクトに並ぶG1を7勝は本当に素晴らしい。今後は自身を上回る産駒を出して
欲しいものである。
 
 2着のトゥザワールドは、スタートで少し後手を踏む競馬となったが、二の脚を利
かせて道中は中団からの競馬。2周目からは馬群に入れたこともあり折り合いもピッ
タリと付いての追走。勝負所で他馬が動いたが、そのときに待たされる形となったが、
これが功を奏し脚が溜る結果になった。直線では徹底して内を付く競馬で馬群を縫う
ようにして伸びて、ジェンティルドンナには届かなかったが33.8秒の上がりタイ
ムで駆け抜けた。前走の敗因は距離が明らかに長過ぎたことが敗因だったが、今回は
スローペースだったことも助けられた要因だったと思える。まだ3歳馬で、これから
古馬になってもっと成長していくだろう。広いコースよりは中山のようなトリッキー
な馬場のほうが力を出せるタイプであり、また本来は力を要する馬場の方が得意でも
ある。来年の飛躍を期待したい。
 
 3着のゴールドシップはこの正月を迎えると6歳となるが、この時期にして更に進
化を見せる走りをしたと思う。この1レースだけで見れば自らレースを作りに行けば、
もっと際どく勝ち負けできたのではないかと思う。この馬の苦手なペースになってし
まったので、それを潰しに行かなかった岩田騎手の責任ともいえる。ただ、この馬は
来年も現役を続ける馬である。敗れて初めて課題や得るものが見つかることがある。
今回、なによりもスローの瞬発力勝負になって好走できたことが非常に大きな武器に
なったといえる。通常、この手のレースになると以前のゴールドシップなら以前は瞬
発力がなかったため大敗していた。ところが、今回は最後まで暗い付く競馬をしてい
た。これは少なくとも海外遠征までして馬自身も成長したのではないかと思う。今回
敗れはしたが、得るものは非常に多かった。来年の宝塚記念もこの馬が中心となるの
ではないかと思う。
 
 4着のジャスタウェイは、馬に関しては特に何も言うことがない。能力のある所を
見せたと思う。ただ、鞍上の福永騎手は何がしたかったのだろう。疑問の残る騎乗だ
った。レースでは1番の好スタートを切って半馬身くらい出ていたのだが、脚を溜め
る控え方ではなくただ単純に控えただけの騎乗に見えた。説明が非常に難しいのだが
、ただ控えるのと、他馬に脚を使わせつつ控えるのでは全く違う。よく『追い込み馬
だから出遅れても問題ない。』というとんでもない話を解説者などがするが、騎手曰
く全く違うらしい。その論法と一緒で、先行馬に脚を使わせた控え方と何もしない控
え方とでは全く違う。また、道中は内へ入れるか外へ出すか迷いながら騎乗していた。
この辺りも馬に敏感に伝わってしまったのだろう。最後は大外へ出す進路を取ってし
まったが、勝負所でゴールドシップに付いていけなかったと談話があったが、付いて
いけなかった原因は前半中盤でのロスの多いチグハグな位置取りが原因だとみる。そ
れでも直線は鋭く伸びてきたが結果は脚を余した内容で4着に敗れた。
 競馬は人馬一体で初めて成立する競技であるので、それを的中させるためには騎手
の技量を考慮して本命を打たなければならない。馬の力を最大限に引き出してくれる
だろうと思ったので、この馬に◎を打った時点で勝てるチャンスはなかった訳だが、
福永騎手に限らず大レースで馬の足を引っ張る騎手が昔の職人と呼ばれた騎手達と比
べて多くなった印象を受ける。ちょっとした小さいミスが命取りになるのがG1レース
であり、今回は小さなミスが重なった。残念ながらジャスタウェイは引退するが、福
永騎手は期待が大きいからこそ辛口になってしまうが、これからも現役を続けるのだ
からもっと頑張ってもらいたいと思う。
 
 5着のエピファネイアは、結果論で言えばテン乗りが大きな敗因となったといえる。
好スタートを決めて、道中は逃げ馬からは離れた2番手に位置した競馬。2番手とい
うことで前よりも後ろを意識した競馬になってしまったため、後ろの馬たちが動くこ
とができずに固められてしまった。これは川田騎手が騎手のセオリーとしては非常に
上手い競馬をしていたとは思うが、ただ、この戦法がエピファネイアには合っていな
かった。苦手なペースを自ら作ってしまったことで、自身の得意なペースに持ち込む
ことができなかったのが敗因とみる。これは川田騎手がエピファネイアに初めて騎乗
したことも大きいだろう。掛かる馬だと聞いていたと思えるが、調教を見る限りは掛
かるイメージはなく、いざレースに乗ることでそろりと出していくのは騎手の心理。
ただ、中山コース自体が向いていないのも事実で、やはり広い東京コースがピッタリ
だと思える。
 
 6着のラキシスは、最後は力尽きる形となったが、4コーナーまではこの馬に勝た
れると思いながらレースを見ていた。スタートを互角に出た後はジェンティルドンナ
の後ろで折り合いもピッタリと付いて追走していた。好位からソツなく競馬ができて
おり、この辺りは非常にレース巧者な面を見せている。またスタミナが温存されるス
ローペースとなったことも幸いしたが、勝負所でゴールドシップが来たタイミングで
自ら勝ちに行く競馬で4コーナーは前を捕らえに掛かった。直線向いたときはジェン
ティルドンナと馬体を併せるところまで追い上げ、直線でも坂を上る辺りまでは食い
下がっていたが、最後は強い馬に差し切られたのは一流牡馬とのレース経験がないこ
とも要因だろう。牝馬同士なら来年も期待できる。
 
 7着のラストインパクトは、菱田騎手が初めて中山競馬場で乗ったのだが、初めて
とは思えないほど上手い騎乗をしていた。ワンアンドオンリーの直後から最内ピッタ
リ追走して距離ロスを最小限に抑える競馬で消耗を防いでいた。折り合いもピッタリ
付いて脚を溜めることができたが、直線へ向いてからは前が壁になって窮屈な場面に
なり捌くのに苦労した分だけ仕掛けが遅れていた。結果的には脚を余した負けだが、
外を回して脚を余した訳ではないので調教師からも怒られることはないだろう。むし
ろ今の中山で行うG1では、ラストインパクトのような脚質の馬は菱田騎手のような乗
り方をしないと勝てない。個人的には好騎乗したと評価したい。
 
 8着のトーセンラーは好スタートを決めてから、道中は3番手のインでジッと脚を
ためる競馬をした。距離不安を抱える中では最高の競馬ができていたと思う。印をず
っと死守するレースを騎乗した武豊騎手もさすがであった。
 10着のフェノーメノは前2戦に比べると中団から好ポジションで競馬ができてい
た。しかし、今回のペースではフェノーメノの位置取りでも厳しい場所だった。また
瞬発力勝負にも向かないタイプであることからも、今回のレースでは展開が向かなか
った印象が大きい。2周目の向こう正面では少し掛かり気味だったことも影響したが
、古馬になってから3000m以上のレースで好走しているところを見ると、一気の
ペースアップのレースでは今後も出番はないのかもしれない。
 13着のワンアンドオンリーは、スタートで取りたいポジションを取れずに想定し
ていたよりも1段後ろからの競馬となってしまった。結果的に言えば、これだけのス
ローペースになってしまっては、取りたいポジションを取れない時点で好走は難しい。
最後方から直線だけの競馬をすると予想したが、おそらく今回のペースでは最初から
チャンスはなかった。まだ3歳馬なだけにこれからの成長に期待したい。
 
 今年の有馬記念も無事に終え、G1を7勝目となったジェンティルドンナの勝利で幕
を閉じた。シンボリルドルフ-テイエムオペラオー-ディープインパクト-ウォッカ
に続き、5頭目のG1・7勝馬の誕生である。この7勝という数字を、結局今年も越え
る馬は現れなかったが、案外G1を7勝するのが馬固体としての限界値なのかもしれな
い。G1は極限の仕上がりでレースに挑んでくる。G2やG3の仕上げとは訳が違うので
ある。その極限の仕上がりで勝つとなると、想像を絶する馬体への負担が伴う。これ
が7勝が限界値なのかもしれない。今後、G1を8勝する馬が現れるのだろうか。現在
ゴールドシップが5勝で来年も現役を続行する。タフな馬なだけに是非記録を作って
欲しいものである。

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ります。1年間お付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。
 
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┃(発行・編集) プロ馬券師集団『桜花』
┃URL:http://oukaevent.com
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